宮城県東松島市教育復興支援活動報告  

宮城県東松島市教育復興支援活動報告書 

3月31日、モンゴル基金一行13人は東松島市の矢本東小学校で羊肉入り野菜スープと羊肉汁お粥の炊き出しをしました。
同市は地震と津波によって800名近くの死者・行方不明者が出ており、家屋の全壊・半壊・破損状況は統計不能である。現在市内87箇所で8000人あまりが避難しています。わたしたちが訪れた小学校は、その避難所の一つで、現在400名ほどの被災者が避難しています。
 ガンドシ理事長をはじめとするモンゴル民族文化基金一行13名は30日午後8時ごろ東京を車二台で出発し1時半ごろ仙台に到着。三時間ほど仮眠して、翌朝七時半に目的地に向かって出発し、9時半ごろ東松島市矢本東小学校に到着。在京東松島会の桜井会長のご案内で理事長、ムンク事務局長、ヘシゲバヤル奨学金部長、ボルドー理事長補佐がみんなを代表して阿部秀保市長、大沼雄吉副市長、小野弘行総務部長ごあいさつをし、教育支援義援金(189,356円)を手渡しました。
ガンドシ理事長が「こどもたちにひとつでも多くのノートや鉛筆などを買って役立ていただきたい」と挨拶すると、市長を初めて関係者は大変喜んで感謝の意を表しておられました。
  
それからすぐに小学校に戻り、10時ころから 炊き出しの支度を始めました。大小の五つの鍋に分けて炊きました。現地の衛生情況および手間を省くため、30日午後1時から理事長宅で石邨理事やアルタン理事の弟ら数人が五時かけてじゃがいもなどの野菜を切るなど下準備をしたおかげで、12時ごろ一回目の炊き出しが出来上がりました。避難所本部が炊き出し完了をアナウンスすると大勢の方が並んで熱々の羊肉入り野菜スープとお粥をもらって、おいしそうに召し上がっていました。
中にはありがとうと言いながら涙を流すお年寄りもいました。初めて羊肉を食べたという方も多く、さっぱりして美味しいねとおっしゃっていました。百人分ほどの料理はあっという間に終わりました。
 
2時ごろから二回目の炊き出しを行いましたが、避難所だけではなく、一般市民にもアナウンスしたので、大勢の方々が来られ、午後四時ころには用意した全部の料理を振る舞い終わりました。片付けが終わったところへ一人の一般市民が近寄ってきて「遠いところをありがとう。市民に代わり感謝します」と言ってくれました。   
  その間3時過ぎから20分ほど同校音楽室で若手馬頭琴奏者ウルゲンさんによる馬頭琴演奏会を実施しました。十数名の方が来られ、馬頭琴の音色を聞き入っていました。 それ以外に子供たちにバレーボールや絵本、玩具を上げました。ごく短い時間でしたが、一緒に遊んであげると子供たちは大変喜び、明るい笑い声が校内で響き渡っていました。
  
炊き出しや支援活動は大成功し、たくさんの方々に感謝されました。しかし、私の観察では、避難所のみなさんは疲労困憊の様子で一日一日を生きていくだけで精一杯のではないかということです。みんなの表情から笑顔が消えてしまったのです。そんな皆様のことを思うと本当に痛ましく感じられます。数人の方に今一番欲しいものは何かと聞くと、「家に帰りたい」とおっしゃっていました。現在自治体やボランティア団体の支援によって食糧や生活用品はそれほど不足しなくなってはいますが、一瞬にして我が家を失った被災者たちにとってもちろん我が家ほど落ち着く場所はなく、その絶望感は察して余りあります。
  

活動終了後、東京に向かう途中で同市の津波被災地である大曲地区を通ったが、自分の目で見た被害の甚大さ、悲惨さにはみんな絶句しました。テレビで聞く「壊滅的被害」という言葉の持つ重みがこの時空間においてひしひしと大きな悲しみとして私たちの心に深く染み透るのでした。筆舌に尽くしがたいこの悲惨さを前にみんな一列に並んで廃墟と化した町と犠牲になられた方々や被災者たちのために一分間の黙祷を捧げました。大自然の前で人間はいかに無力かを痛感すると同時に我々が行った支援活動がいかに大事だったかを実感する一瞬でもあります。
  炊き出し中も余震が数回もありました。いま被災地の皆様のために自分たちのできることをしてあげるが何よりも大事である。わがモンゴル民族文化基金は、一つの小さな貢献で大きな絆を結んだ気がします。
  
被災地での炊き出しに参加されたメンバーを記し、感謝を申し上げたい。また大勢の理事や仲間たちの寄付および募金に改めてお礼を申し上げたい。
  被災地へ出向いた方々:ガンドシ理事長。ムンク理事、ヘシゲバヤル理事、アルタン理事、石邨理事、ゲレル理事、オーダム理事、ボルドー理事、ブルグッド元理事、サランゴワーさん(東北大留学生)、ウルゲンさん(馬頭琴奏者)、ムンク理事の長女ゾラちゃん(高三)、在京東松島会櫻井政文会長。                 
  寄付された方々:牧原創一理事、マンドブイン理事、ゴイハン理事、長野県松本市在住のナランマンドルさん、 群馬在住のアンダ商事のナラスさん、東京在住の株式会社サイハンハーンのナリゲルさん、東京都板橋区在住の千葉洋子さん(70歳)、金沢勝さん(石邨理事の同僚)、藤麻子さん(ゲレル理事の同僚) 

平成23年4月1日
                                                        (文責:バー・ボルドー)

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